アルゴリズム史×個人サイト 第3回

「アトピーは水を飲んで治す」は、医療・健康の誤情報で検索流入を集め、商品へ誘導するサイトでした。第3回は、その種類のサイトに対して日本の検索結果が大きく変わった出来事、WELQ騒動と医療・健康アップデートの話です。

WELQ騒動

2016年11月末、DeNAが運営していた医療情報のキュレーションサイト「WELQ」が閉鎖に追い込まれました。同社はこのとき、ほかのキュレーションサイトも含めて計10サイトを閉鎖しています。

問題になったのは、医療情報として不正確な内容、他サイトからの無断転載と見られる記事、そしてそうした記事を大量に作って検索結果の上位を占めていたことです。

2017年12月6日、日本だけのアップデート

Googleは2017年2月に、日本語検索の品質を上げるためのアップデートを発表しました。そして2017年12月6日、医療や健康に関する検索結果の改善を目的としたアップデートを、日本国内で実施しました。ほかの国を対象としない、異例のアップデートです。

その結果、WELQと同じような手法で運営されていた医療・健康系のサイトが、検索結果の上位から大きく姿を消しました。健康関連の検索に限れば、順位の変動は前代未聞の規模だったと言われています。

個人のスパムサイトと、企業のキュレーションサイト

WELQと、このサイトは、規模がまったく違います。一方は大企業が外部ライターを使って大量の記事を作ったメディアで、もう一方は個人が手探りで量産したサイトです。

ただ、やっていたことの骨格は同じでした。医療・健康という、読む人の体に関わる分野で、根拠のない情報を大量に作り、検索結果の上位を取りにいく。WELQ騒動は、個人アフィリエイターたちが何年もやってきたことを、企業の規模でやった結果だったとも言えます。

このサイトは、2017年にはもうページを足していませんでした。ただ、もし現役で上位にいたなら、真っ先に対象になる種類のページだったのは間違いありません。

個人サイトにとっての意味

このアップデート以降、医療・健康のように読者の人生に関わる分野では、誰が書いたのか、根拠はあるのかが、それまで以上に重く見られるようになりました。個人ブロガーやWebライターが健康について書くなら、体験談と医学的な主張を分け、主張には公的な情報源を示す。それが最低限の作法になっています。

この記事の参考資料と用語の解説は、参考資料と用語解説のページにまとめています。

第2回 偽装PageRankと最後のツールバー更新第4回 2024年、手口に名前が付いた