アルゴリズム史×個人サイト 第4回(最終回)
2013年に手作業でやっていたことが、11年後に名前の付いた違反になりました。シリーズ最終回は、2024年3月にGoogleが追加したスパムポリシーの話です。
2024年3月5日の発表
Googleは2024年3月5日、3月のコアアップデートとあわせて、新しいスパムポリシーを発表しました。追加されたのは、「期限切れドメインの不正使用」「大量生成されたコンテンツの不正使用」「サイトの評判の不正使用」の3つです。このうち「サイトの評判の不正使用」だけは猶予期間があり、2024年5月5日から適用されました。
期限切れドメインの不正使用
期限切れのドメインを取得し、そのドメインが以前持っていた評判を利用するために、価値の低いコンテンツを載せる行為です。
ここで注意したいのは、中古ドメインを使うこと自体が禁止されたわけではない、という点です。問題になるのは、元の評価を利用するために、ユーザーにとって価値の低いサイトを作ることです。
深夜にドロップキャッチしたドメインに、旧サイトとは何の関係もないアトピーと水のサイトを作り、旧URLにページを建てて評価を使い切る。第1話と第5話で書いたことは、このポリシーの説明にそのまま当てはまります。
大量生成されたコンテンツの不正使用
検索順位を操作する目的で、ユーザーの役に立たないページを大量に作る行為です。以前からスパムの対象ではありましたが、今回のポリシーでは、人の手で作ったか、ツールやAIで作ったかという作り方を問わない形になりました。
ワードサラダ、ファイルの使い回し、トレンド便乗、そして文章の一部を確率で差し替えるツールで作ったサテライトブログ。第3話で書いた量産の型は、どれもこちらに入ります。
このサイト自身はどうなのか
では、黒歴史展示室を公開しているこのサイトは大丈夫なのか。旧ドメインはとうに失効しており、再取得もしていません。このサイトは運営者個人のサブドメインで公開していて、旧ドメインの評価は一切引き継いでいません。旧ページは、スパムの実物を記録として見せるための展示で、各ページには展示である旨と、内容が誤りである旨を明記しています。
シリーズを終えて
パンダとペンギンで隙間が狭まり、ツールバーの値札が止まり、医療・健康の分野で誤情報が一掃され、最後に手口そのものに名前が付いた。2013年から2024年までの流れを、ひとつのスパムサイトを軸に振り返ると、検索エンジンが何を嫌ってきたのかがよく見えます。
逆に言えば、そのどれにも当てはまらないもの、つまり自分で確かめたことを、自分の名前で、読む人の役に立つように書くことだけが、時代が変わっても残ってきたということです。このサイトの記事も、その基準で書いていくつもりです。
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