アルゴリズム史×個人サイト 第1回
このシリーズでは、Googleのアップデートの歴史を、2013年に作ったスパムサイト「アトピーは水を飲んで治す」がやっていたことと重ねて読み直します。第1回は、ブラックSEOの時代を終わらせたと言われる2つのアップデート、パンダとペンギンです。
パンダ:中身の薄いページを狙う
パンダアップデートは、低品質なコンテンツの順位を下げ、質の高いページを上に出すためのアルゴリズム更新です。英語圏では2011年2月に始まり、日本には2012年7月に導入されました。その後も不定期に更新が繰り返され、2016年以降はコアアルゴリズムに組み込まれたとされています。
中身の薄い量産記事、他サイトの寄せ集め、キーワードを詰め込んだだけのページ。展示室のワードサラダ標本は、まさにパンダが狙った種類のページです。
ペンギン:不自然なリンクを狙う
ペンギンアップデートは2012年4月に始まりました。Googleのガイドラインに反するSEO、とくに質の低いリンクで順位を上げようとするサイトの評価を下げるのが目的です。何度かの更新を経て、2016年9月にコアアルゴリズムへ統合され、それ以降は日々のアルゴリズムの中で動くようになりました。
当時、手をかけていた12サイトほどには、無料ブログで作ったサテライトから被リンクを送っていました。サテライトの記事は、文章の一部を確率で差し替えるツールで作った文章のコピペです。自作自演のリンクという、ペンギンが狙った典型的なやり方でした。
オールドドメインに残った被リンクを使う、旧サイトのURLにページを作り直して評価を受け止める、サイドバーで評価を集める。第5話で書いた配管は、リンクの評価を操作しようとする点で、ペンギンが見ていた領域に入ります。
両方が来た後に作ったサイト
時系列を並べると、ひとつ気付くことがあります。このサイトのファイルの日付は2013年11月からです。つまり、パンダもペンギンも日本に来た後に作ったサイトなのです。それでも、「アトピー 水」などの検索から実際にアクセスがありました。
当時のパンダやペンギンは、常時動いているのではなく、ときどきデータが更新される形でした。更新と更新のあいだには時間があり、競合のいない小さなキーワードなら、薄いページでも拾える余地が残っていた。量産で数を打つ戦略が成り立っていたのは、その隙間があったからだと考えています。
個人サイトにとっての意味
パンダとペンギンがコアアルゴリズムに組み込まれたことで、「次の更新まで逃げ切る」という発想そのものが成り立たなくなりました。いま個人でサイトを作る人にとっては、ページの中身とリンクの自然さが、常に見られているのが前提です。
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